戸次の町並み
戸次の町並みを不定期でご紹介
みやべ精肉店
取材・記事作成:尾林祐二
帆足本家酒造蔵から戸次本町通り(日向街道)を少し北に進むと、オレンジと緑色のヒサシの懐かしい雰囲気のお店があります。
「みやべ精肉店」というお肉屋さんです。
『うちは国産の肉にこだわっちょんので~』
と明るい笑顔で、お店の女将さん。そこで買った「黒豚」が最高だったと豚星なつみ氏の力説が始まりました。
最近はほとんど見なくなった「量り売り」のお肉屋さん。
パック売りも良いですが、
『おばちゃん、すき焼き用のお肉○○グラムちょうだい。』
『あら、○○さん、今日はお客さんかい?』
『そうなんよ~。お客さんが来たら、皆ですき焼きがうちの定番やけんなぁ。』
みたいな会話が聞こえてきそうな、そんな温かくて懐かしい雰囲気のお店です。
願掛け地蔵
取材・記事作成:尾林祐二
みやべ精肉店の女将さん、戸次のことも詳しく、隠れたスポットを教えてくれました。
みやべ精肉店の角を曲がると、細い道路があり、100mくらい進むと小さなトタンの屋根が見えてきます。その中にお地蔵さんが鎮座しております。
このお地蔵さん、名前がわからなかったので「願掛け地蔵」と呼びますね。
このお地蔵さん、大変おしゃれ。
何と、前掛けは「コムサ(COMME CA ISM)」。
みやべ精肉店の女将さんのお話では、昔むかし、大水の際にどこからか流れてきたお地蔵さんとのこと。
大水が引いた後、今のみやべ精肉店の裏から「小豆」を洗う様な「シャッシャッシャ」という音がしよったそうな。
不思議に思った当時の住人の方が裏に回ると、このお地蔵さんがあったと。
そこで、住人の方が手厚くおまつりしたところ、「小豆」を洗う様な「シャッシャッシャ」という音も消えたとさ。
そんなお話しがあるお地蔵さんで、知ってか知らずが、願掛けに来る人も少なくないとか。
ある時、歩けなかった子どもが歩ける様になった、とお礼の前掛けがしてあるのに気づいた女将さん。今も大切にその前掛けを取ってあると話してくれました。
ちょっとの散策と思って、願掛けに行ってみてはいかがですか?
火防せ地蔵(ひぶせじぞう)
取材:豚星なつみ
記事作成:尾林祐二
さて、みやべ精肉店をあとにして、豚星なつみ氏のおススメスポットへ。
「願掛け地蔵」を少し進んだところに「妙正寺」というお寺があり、そこの一角の小さな社?に「火防せ地蔵」は鎮座しております。
以下、妙正寺の説明より抜粋します。
明治39(1906)年4月 戸次本町(当時は”市と称してい た”)の中市班より発した火災は、たちまちのうちに通りの家屋に 類焼していきました。
しかし火の勢いは、下市班の地蔵堂(旧大分銀行戸次支店、現冨春館駐車場)の手前で不思議なことに止まり、それから住民の間で誰かれとなくこのお地蔵様を”火防せのお地蔵様”と呼ぶようになりました。
毎年4月には下市班によるお接待が行われ、本町のみならず、近隣の子どもたちが赤飯や混ぜご飯のお握りをもらおうと地蔵堂の前に列をなしたものでした。
この行事は昭和30年代前半まで続いていました。
地蔵堂は昭和38(1963)年、大分銀行支店の拡張に伴い、妙正寺のご好意により境内の現在の現在地に移転しました。
2006年10月 戸次本町下市上班、妙正寺 より
意外なエネルギースポット? それとも人情味あふれるホットスポット?
願掛け地蔵に火防せ地蔵、なんとも御利益のありそうな一角。
おいしいお肉でちょっと贅沢を満喫するのも良いかもしれませんね~。
